ソフトバンク2018年4-9月期決算 営業利益62%増、国内通信事業で人員4割削減へ
2018年11月6日 14時15分更新
ソフトバンクグループは11月5日、2019年3月期第2四半期(4~9月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比5.5%増の4兆6538億円、営業利益は同62.4%増の1兆4207億円、純利益は同718.6%増の8401億円となり、大幅な増益を達成した。
ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)とデルタ・ファンドからの営業利益が同3.4倍の6324億円と大きく伸びた。主に、SVFでFlipkart株式売却に伴い投資の実現益1466億円を計上したほか、NVIDIAやOravel Staysなど投資先の公正価値が増加したことで未実現評価益5037億円を計上したことが増益を牽引した。
決算説明会に登壇したソフトバンクグループの孫正義代表取締役社長は、「来年には日本経済が体験したことのないレベルの営業利益を出せると、内心で思っている」と述べた。
市場では、菅官房長官の「4割値下げの余地がある」という発言に端を発し、NTTドコモが新料金プランの導入を表明するなど、大手キャリアの携帯料金の動向に注目が集まっているが、孫氏は「ソフトバンクでは9月に導入した分離プランで25%~30%値下げ済み」と述べ、「ギガバイト単価で考えれば我々は世界で最も安い事業者のひとつ」と、同社の料金プランの安さをアピールした。
9月に導入された料金プラン「ウルトラギガモンスター+」では、一部の動画やSNSの通信量をカウント対象外にしている。孫氏は、「若者を中心にYouTubeやSNSなどの利用が増えている。データトラフィックのうち43%がそれらの動画やSNSサービスに消費されており、これを0円カウントにすることは実質的な4割値下げ」と説明した。
また、来期からワイモバイルでも分離プランを導入する方針を明らかにした。説明会に同席したソフトバンク代表取締役社長の宮内謙氏は、ワイモバイルの分離プランについて、「いまは一部で入っている。来年上期に対応したい。分離プランを導入することで毎月の支払額が1~2割ほど下がることになる」とコメントした。
一方で、携帯料金の低価格競争が進むことを受けて、国内通信事業の人員を4割削減することも明らかにした。「低料金プランの提供を言い訳にして減益にせず、コストダウンをして増益を目指す」(孫氏)として、RPA(Robotic Process Automation)導入による業務効率の改善やAIの活用、新規事業への配置展開などにより人員削減を推し進める考えだ。
孫氏は、「人員を成長領域にシフトしていくことはソフトバンクグループのエコシステムにもつながる。具体的な時期は決まっていないが粛々とやっていく。これから2~3年でということになるだろう」と説明した。