ドコモと三菱地所、丸の内で次世代スマートシティ構築へ

2026年8月31日 09時30分更新


 株式会社NTTドコモと三菱地所株式会社は2026年8月に、東京都千代田区の大手町・丸の内・有楽町エリアにおいて、ミリ波(26GHz帯)をはじめとする先進技術を活用した5Gサービスを提供するため、高品質な5G通信環境を基盤とした「次世代スマートシティ」を共同で構築する取り組みを開始することに合意したと発表した。高層オフィスビルや商業施設が高度に集積する丸の内エリアは、日本屈指のビジネスおよび商業拠点であり、日頃から極めて大容量の通信データが集中するエリアとして知られている。同エリアにおいて、NTTドコモが保有する最新の基地局装置や高度な5Gネットワーク技術と、三菱地所が長年培ってきた不動産アセットの運用実績や都市開発インフラ確保の知見を融合させる。これにより、歴史ある街並みの都市景観に配慮しつつ、ミリ波の電波特性を最大限に引き出すアンテナ配置などを最適化した次世代インフラ基盤(クラスタ)を構築し、エリア全体の通信環境を劇的に改善するとともに、就業者や来街者に向けた新たなデジタルサービスの創出を図る狙いだ。

 NTTドコモは2026年6月に日本初となるオークションを通じて獲得した26GHz帯と、既存の28GHz帯を合わせた合計800MHz幅に達する広大なミリ波帯域を確保している。これに加えて、最新型のグローバル基地局装置や、既存の3.5GHz帯、3.7GHz帯、4.5GHz帯の合計280MHz幅を組み合わせる「Tri-Band Massive MIMO」技術、さらに建物の窓ガラスなどを活用するガラスアンテナといった最先端技術を導入した基地局を丸の内エリアへ集中的に新設する計画を進めてきた。しかしながら、ミリ波は超高速・大容量通信を実現できる反面、電波の直進性が極めて強く障害物に遮られやすいという物理的特性を持つため、見通しの良い多様な場所に多数のアンテナを高密度に配置する必要がある。そのため、伝統と格式を持つ丸の内エリアの優れた景観美を損なわずにいかにアンテナ機器を調和させて設置するかが、極めて重要な技術的・運用的課題となっていた。

 一方の三菱地所は、単一のビルにとどまらず丸の内エリア全体を一つの巨大なプラットフォームに見立てる「まちまるごとワークプレイス」構想を掲げ、デジタル技術を駆使したスマートシティ施策を積極的に推し進めてきた。今回の連携では、人流やデータ通信が集中する重要拠点を的確に網羅するための見通し環境を徹底的に検証し、最適なアンテナ配置手法を確立するとともに、三菱地所のビル設備などの不動産アセットを活用した景観調和型のアンテナや基地局新装置の開発を推進する。さらに、エリア内における効率的かつ迅速な通信網整備を実現するため、オフィスや商業施設への機器設置のみならず、三菱地所グループの丸の内ダイレクトアクセス株式会社が保有する信頼性の高いデータセンターや光ファイバー網の活用も検討していく。既存の都市インフラを最大限に活用することで、ミリ波や先進基地局のスピード感ある実装を可能にし、高密度で無駄のないネットワーク基盤を構築する。

 両社は今回確立する都市型アンテナソリューションやインフラ活用の運用モデルを先進的なケーススタディとして位置づけ、三菱地所が展開する5Gインフラシェア事業と連動させながら、丸の内エリアにとどまらず全国主要都市の中心部へも同様のクラスタを順次拡大していく方針だ。さらに将来的な展望として、高度な無線通信網の整備にとどまらず、電気信号に変換することなく光のまま伝送することで大容量・低遅延・低消費電力を実現するオール光ネットワーク(APN)技術を用いた有線通信環境の導入も視野に入れ、次世代スマートシティ全体の情報通信基盤をより強固なものへと深化させていく計画である。

 この取り組みは、最先端の通信インフラと洗練された都市空間の高度な融合を実現し、国際的なビジネス拠点としての日本の都市競争力を飛躍的に高めていく契機となる。

参考URL:https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2026/08/24_00.html

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