KDDI、5G時代における端末間通信で中継することによる大容量通信エリアの拡張が実現
2018年5月21日 12時49分更新
株式会社KDDI総合研究所は、次世代移動通信システム5G時代に向けて、端末間通信用の制御信号量の削減技術を開発した。これにより、狭い範囲に限定されやすい大容量通信エリアを、端末間通信で中継することによる拡張が実現されるとのこと。
同成果は、5月23日~5月25日に東京ビッグサイトで開催される展示会「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2018」のKDDIブースで展示される。
<端末間通信による大容量通信エリアの拡張>
【背景】
2020年頃の実用化が想定されている「5G」時代には、4K動画、AR/VR等のために大容量通信が増加すると考えられている。ひとつの基地局で広い範囲をカバーする「広域エリア」では、大量の大容量通信を収容した場合に混雑が発生する。そこで、「5G」では混雑している場所に高い周波数を利用して、狭い範囲をカバー可能な「スポットエリア」を配置し、大容量通信を収容することが考えられている。ところが、広域エリアにおける大容量通信の全てが収容されるわけではないことから、大容量通信による広域エリアの混雑が完全には解消されない。この解消のために、スポットエリア外の大容量通信を端末間通信でスポットエリアまで中継する大容量通信エリア拡張の実現が一つの解決策となる。
【今回の成果】
大容量通信エリア拡張のための端末間通信の実現には、端末間の無線品質の把握や無線リソース割当等のための大量の制御信号により、広域エリアの制御用チャネルの混雑が発生する。これにより、端末間通信が実現できないだけでなく、広域エリアにおける端末と基地局間の通信に品質劣化が発生するという問題がある。この問題を解消するためには、端末間通信用の制御信号の削減を行う必要がある。
今回、KDDI総合研究所は、少ない上り制御信号量で端末間の無線品質を収集する技術と、端末をグループ化して無線リソース割当信号を一括通知する技術を開発。
<今回開発した技術>