すかいらーくHD、一部ブランドでフリーWi-Fi提供を終了へ 通信環境の変化を受け判断
2025年6月20日 10時30分更新
すかいらーくホールディングスは2025年6月30日をもって、バーミヤンや夢庵、ステーキガスト、藍屋など同社が運営する一部ブランドにおけるフリーWi-Fiサービスの提供を終了すると発表した。サービス終了の理由について同社は「近年の通信環境の変化や店内設備の見直しを進める観点から」と説明しており、スマートフォンの通信性能向上や5Gの普及などにより、必ずしもWi-Fiが必須ではなくなった点も背景にあると見られる。

同サービスは2012年の導入以来、多くの来店客に利用されてきたが、昨今では導入当初と比べ、通信事情が大きく様変わりしている。近年ではモバイル回線の安定性や低価格化が進んでおり、ユーザーが自前の通信環境で動画やアプリを快適に利用できる状況が整ってきた。こうした背景から、飲食店や小売業界全体でも、Wi-Fiサービスの役割や必要性を再評価する動きが見られる。
一方で、他の業態に目を向けると、カフェチェーンでは依然としてWi-Fiが積極的に提供されている。スターバックスやドトールなどでは、リモートワーカーや訪日観光客の利便性を考慮し、安定したネット環境を整えている。また、コンビニではコロナ以降、セブンイレブンやファミリーマートなどが無料Wi-Fiの提供を段階的に縮小しており、「通信制限時の緊急利用ができなくなった」との声も一部で聞かれる。
店舗におけるフリーWi-Fiの導入は、顧客満足度向上や長時間滞在による売上拡大などの利点がある一方、回転率の低下やセキュリティ対応といった運用上の課題も抱える。今後、各社は来店目的や顧客層に応じた柔軟な通信環境の整備が求められそうだ。