米3大キャリアがD2DでJV設立に向け合意

2026年5月19日 10時00分更新


 AT&T、T-Mobile US、Verizonの米国3大通信キャリアは2026年5月14日、衛星を活用した次世代の直接通信(D2D: Direct-to-Device)技術の普及を目的とした合弁会社(JV)の設立に向けて原則合意したと発表した。

米3大キャリアが共同でD2D強化

新会社は、衛星ベースのD2D技術を用いて、米国内の未サービスおよびサービス不足地域のカバレッジギャップ解消を主な目的とする。 3社は、自社が保有する周波数資源の一部を共同で活用し、衛星を経由したモバイル接続を補完的なインフラとして位置付けることで、既存の基地局ネットワークを補強する計画を示した。

VerizonのDan Schulman氏は、本パートナーシップにより顧客の選択肢が広がり、米国のインフラ強化と衛星プロバイダー間の競争促進につながると強調。
AT&TのJohn Stankey氏は、今回の取り組みが米国の通信インフラ全体のレジリエンス向上につながると述べる。
T-MobileのSrini Gopalan氏は、同社がすでに提供している衛星接続サービスの経験を踏まえ、複数の衛星事業者によるコンステレーション拡大と組み合わせることで、D2Dサービスの性能と容量を高める狙いを示した。

共通仕様と衛星連携で広がるエコシステム

 合弁会社は、D2Dサービスのための共通技術仕様や業界標準を策定し、衛星事業者やOSベンダー、端末メーカーと連携することで、業界全体の互換性とユーザー体験の均質化を図る。 発表資料によると、新会社は技術中立的なプラットフォームを掲げ、特定の衛星方式に依存せず、用途に応じて最適な技術を組み合わせる方針を示している。

また、限られたライセンス周波数の効率利用を目的に、共同でのスペクトラム活用を進めることで、衛星・地上をまたぐトラフィック処理の最適化を目指す。 地方の中小モバイルネットワーク事業者を含む多様なプレイヤーが、新会社のプラットフォームを通じて衛星サービスを自社ネットワークに統合しやすくなるとされ、新規サービスの立ち上げ期間短縮や投資リスク低減が期待されている。

なお3社は、規制審査や交渉の長期化・中止リスクなど、合弁計画に影響しうる不確実性を投資家向けに明記している。

参照:AT&Tリリース

関連カテゴリー