H2LとNTT、VRやARに自然な触覚共有体験を与える触感型インタフェースを開発、提供へ
2018年1月9日 13時13分更新
H2L株式会社とNTTは、新たな触覚体験を提供することを目指し、H2Lが保有する手指モーションキャプチャ技術・電気的筋肉刺激(EMS)コントロール技術と、NTTが保有するhitoe評価技術を活用して、VRやARに自然な触覚共有体験を与える触感型インタフェースを開発したと発表した。
H2Lは、モーションセンサと筋変位センサアレイを内蔵した端末を腕に巻きつけることにより手の動きを捉えてVRゲームに入力する手指モーションキャプチャ技術、端末から腕に印加される機能的電気刺激により手の筋肉を収縮させてユーザに擬似的な触感を与えるEMSコントロール技術を応用し、ゲームなどの仮想世界の擬似的な触感を自らの手で体感することができるデバイスをゲーム開発者ツールとして製造販売している。
現行のUnlimitedHandでは、一般的なEMS製品で使用されているハイドロゲル電極を皮膚接触電気抵抗の低減のために使用しており、肌への粘着質な接触による不快感、乾燥による硬化や皮膚接触電気抵抗の増大による交換等の手間、洗浄できないことによる不衛生などの理由により、すべてのユーザから満足感を得ることは困難だった。
しかし、NTTは東レ株式会社と共同開発した機能素材hitoeをゲル電極の代替として、実質的にH2LがUnlimitedHandへのhitoeの実装を実現したことにより、従来のゲル電極の課題を解消し、爽快な装着感が得られること、乾燥による劣化を気にすることなく長期使用が可能になること、100回以上の洗濯耐性を有することによる衛生面の向上が得られることなど、ユーザへ高い満足感を提供することができることとなった。
今後、H2Lは個人向けのゲーム開発者ツールとしての展開から、VRテーマパークなどのアミューズメント施設運営企業とのタイアップによるエンターテイメント企業向け展開を加速する予定。2018年1月9日より米国ラスベガスにて開催されるコンシューマ・エレクトロニクス・ショー2018 Sands Expo Level 1, Hall G #53359にて機能素材hitoeを実装したUnlimitedHandによるVRテーマパークを想定したアプリケーションを動態展示する。製品化および販売については、動態展示をもとに今後検討を進めていく予定だ。