ソフトバンクG、仏で5GWのAIデータセンター計画
2026年6月2日 10時05分更新

ソフトバンクグループ株式会社は5月31日(現地時間5月30日)、フランスにおいてAIデータセンターを開発・運営する計画を発表した。総容量は5GWで、投資額は最大750億ユーロ。マクロン仏大統領が主催する「2026 Choose France」サミットの場での発表で、同社による欧州最大のAIインフラ投資となるという。
第1フェーズでは、450億ユーロを初期投資として、2031年までにHauts-de-France地域圏に3.1GWのデータセンターを整備する。設置地点はDunkirk(Loon-Plage)、Bosquel、Bouchainの3拠点で、その後フランス国内の追加拠点でも開発を進める計画だ。エネルギー関連事業を手がけるSB Energyおよびその他の戦略的パートナーと連携してプロジェクトを推進するとしている。
本発表に際し、会長兼社長の孫正義氏は「AIは新たな時代を迎えており、この変革を支えるインフラを構築する国々が、テクノロジー、産業、社会の未来を形作ることになるでしょう」「産業基盤、豊富な人材、そして国家としての強い志を備えるフランスは、欧州を代表するAIインフラの拠点として、確固たる地位を築きつつあります」とコメントしている。
ソフトバンクグループはあわせて、Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)との産業パートナーシップも発表した。Port of Dunkirkに大規模な産業クラスターを共同開発するもので、ソフトバンクグループが運営するエンクロージャー製造施設*1と、シュナイダーが運営するデータセンター向け電力モジュール統合施設の2施設で構成される。ロボティクス・自動化技術とシュナイダーの産業知見を組み合わせ、データセンターインフラのサプライチェーンを欧州域内で完結させることを目指す。
フランス政府のRoland Lescure経済・財政・産業・エネルギー・デジタル主権大臣は、本決定はフランスが持つ信頼性の高い電力網へのアクセス、高度な人材を擁するデジタル・産業エコシステム、規制手続きを迅速化する官民連携体制といった強みを反映するものだと述べた。また、EDFやシュナイダーとのパートナーシップは、フランスで産業主導型AIの未来を築くというソフトバンクの長期的なコミットメントを示すものだとしている。
雇用面では、データセンター開発、エンジニアリング、エネルギーシステム、ロボティクス、先進製造業などの分野で数千人規模の高度専門職を創出するとしており、地域の大学や職業訓練機関との連携を通じた人材育成も計画に含まれる。
フランスでは2025年2月、マクロン大統領がAI分野への1,090億ユーロ投資を表明し、データセンター用地「ターンキーサイト」を35カ所整備する計画を打ち出した。これらサイトは2027年から、原子力発電を含む脱炭素電力(総電力量の95%)を主体とする大容量電力網に接続される予定*2だという。 2025年5月開催の「Choose France」サミットでも外国企業53件・総額408億ユーロの投資が発表*3され、うち208億ユーロがAI関連と、フランスへのAIインフラ投資は加速の一途をたどっている。
*1 サーバーなどの電子機器や産業用制御システムを、水・埃・熱・電磁波といった外部環境の脅威から保護するための筐体(エンクロージャー)を生産する工場・拠点のこと
*2 JETRO 2025/06/04発表レポート
*3 JETRO 2025/05/26発表ビジネス短信





