ソフトバンク、世界初の基地局圏外における5G車載端末間の 自律的な直接通信で1ms以下の低遅延通信に成功
2019年4月12日 11時36分更新
ソフトバンク株式会社は、5Gの新たな無線方式「5G-NR」の無線伝送技術に基づく車両間直接通信の屋外フィールド試験を実施し、基地局圏外における5G実験用試作機間の自律的な直接通信で、無線区間の遅延時間が1ms(1,000分の1秒)以下となる低遅延通信に世界で初めて成功した。今回の成功は、トラック隊列走行(先頭車両が有人運転で、後続車両が自動運転で先頭車両を追従)の早期実現に寄与するもので、ソフトバンクは引き続き実験を推進していくとのこと。
◆車両間直接通信の屋外フィールド試験
これまでの実験は、基地局からの同期信号を用いて5G車載端末間の直接通信を行うことで、基地局圏内では効率的な無線制御を実現していたが、同期信号が届かない基地局圏外ではそもそも通信ができないという課題があった。今回の実験では、基地局圏外でも自律的に直接通信を行う5G車載端末(4.5GHz帯使用)を新たに開発し、基地局圏外で走行中の車両間で通信試験を行った。その結果、車両間直接通信の遅延時間が1ms以下となる低遅延通信に成功。この技術は、5G基地局が展開されていない地域やトンネルなどを走行中のトラックが、継続かつ安定的に加減速情報や車両制御情報などを車両間で共有することができるなど、さまざまな活用が期待されている。
これまでの車両間直接通信の屋外フィールド試験
今回の車両間直接通信の屋外フィールド試験
ソフトバンクは、「5G-NR」の無線伝送技術に基づく車両間直接通信に特有な電波伝搬環境や技術的要求条件を把握する目的で、車両間直接通信の標準化に先駆けて、実証試験を進める。トラック隊列走行の早期実現に向けて、引き続き技術検証および実証評価を行うとのこと。
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