三菱電機とNTTドコモ、5Gの屋外実験で通信速度27Gbpsに成功
2018年11月26日 17時24分更新
三菱電機とNTTドコモは、第5世代移動通信方式「5G」において、28GHzを用いて5G向けに開発した超多素子アンテナシステムによる16ビーム空間多重処理を行うことで、屋外実験において通信距離10mで端末1台の通信速度27Gbps、100mで通信速度25Gbpsに成功した。実験は9月10日~9月28日に神奈川県鎌倉市で実施。
実験では、これまで4Gでは実現できなかった16ビーム空間多重を実現するために、超多素子アンテナによるビーム形成技術とビームの重複によるビーム間の干渉低減技術を開発した。
開発したビーム形成技術では、アナログ回路により、あらかじめ設定したビームを切替えることで端末の移動に追随する。ビーム間の干渉低減技術では、刻々と変化する伝搬環境を基地局側で測定し、信号を制御することで、干渉を低減。これらの開発技術により、屋外移動環境における16ビーム空間多重を実現した。
屋外実験を実施した結果、基地局から端末間距離10mで通信速度27Gbps、100mで25Gbpsの伝送実験に世界で初めて成功した。これは、28GHz帯における移動通信方式において、世界最高の周波数利用効率である1Hzあたり67bpsの実現に相当するという。
同実験により、電波資源拡大のための研究開発「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発~高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる高速・低消費電力無線アクセス技術の研究開発~」における目標値を達成した。この技術により、例えばバスなどの大勢の人が乗車して移動する乗り物において、20Gbpsを超える超高速通信の実現が期待できるという。