都内60地点の下り通信速度は、ワイモバイルが134.3Mbpsでトップ ー ICT総研

2021年7月21日 13時52分更新


 ICT総研は7月21日、東京都内格安スマホ通信速度実測調査の結果をまとめた。2021年5月にMNO(移動体通信事業者)4社のメインブランドを対象として山手線内の60地点で通信速度を調査したが、今回は、格安スマホブランドでの通信速度の実態を把握することを目的としている。調査対象は、ソフトバンクのサブブランドである「ワイモバイル」、au(KDDI)のサブブランドである「UQモバイル」、MNOながら格安料金を訴求している「楽天モバイル」の3ブランドである。
 測定端末は、iPhone12で統一し、速度測定サイト「インターネット速度テスト」(Google)にて、1地点あたり下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の通信速度を3回ずつ測定した。測定地点は、東京都内の駅や名所、待合せ場所など全60地点。調査実施日は、2021年7月13日~7月17日である。密集状態を避けるよう、細心の注意を払って測定したとのこと。

都内60地点の下り通信速度は、ワイモバイルが134.3Mbpsでトップ


 調査の結果、今回調査対象とした東京都内60地点の下り通信速度は、ワイモバイルが平均134.3Mbpsでトップとなり、UQモバイルが111.2Mbpsで続いた。楽天モバイルは35.7Mbpsと、大きく離される結果となった。ワイモバイルは、60地点のうち32地点(53.3%)で5Gの電波を受信したことが、好結果の要因だと考えられる。もちろん、コロナ禍であるため密集状態を避けて測定したことも、全体的に速い通信速度を記録したことに影響を与えたと言えよう。
 調査地点を「駅ホーム」と「駅ホーム以外」に分けると、駅ホームの下り速度が3ブランド平均81.3Mbpsであるのに対し、駅ホーム以外は平均106.1Mbpsと、駅ホーム以外の方が良好な結果となった。
 また、上り通信速度については、ワイモバイル 27.4Mbps、楽天モバイル 27.2Mbps、UQモバイル 26.6Mbpsと、 大きな差がなく、ほぼ横一線の結果となった。

下り通信速度の最速地点は、ゴジラヘッド(新宿)。3ブランド平均下り速度が201.3Mbps


 下り通信速度の3ブランド平均が最も速かった地点は、新宿の観光名所「ゴジラヘッド」(新宿東宝ビルのモニュメント)であり、平均201.3Mbpsと非常に高速であった。「西武 池袋本店」 198.8Mbps、「東京ドーム」 193.3Mbpsと続く。全体的に、駅ホームよりも屋外の施設付近の方が、通信速度が速い傾向が見られる。3ブランド平均の下り通信速度が最も遅かった地点は、「神保町駅」であり、平均24.9Mbpsに留まった。

MNOの下り通信速度は、10年前(2011年 0.95Mbps)と比べて、約100倍に


 ICT総研では、2011年から定期的に同様の通信速度調査を実施してきた。2011年10月に調査した際は、MNO 3社平均の下り通信速度は0.95Mbpsにすぎなかったが、2012年からMNO各社の4G・LTEサービスが開始。そのカバーエリアが広がるにつれて、3社平均の下り通信速度も右肩上がりで高速化していった。MNO各社は2020年より5Gサービスを開始。現在は5Gエリアも拡大してきていることから、下り通信速度は平均100Mbpsに迫っている。10年前と比較すると、約100倍に高速化している状況である。
  現在も、携帯電話事業者の5Gカバーエリアは拡大を続けている。政府による携帯電話料金の値下げ圧力によりオンライン専用プランが新設されるなど、ユーザーの料金が安くなってきている一方で、通信品質は日々向上している状況だ。

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