遠隔アバターで区民サービス向上へ、大田区で実証
2025年5月21日 10時01分更新
ANAホールディングス発のスタートアップ、avatarin株式会社は、ローカル5Gとアバター技術を活用した「遠隔区民サービス」の実証実験結果を発表した。この実証は、NECネッツエスアイ、キャンパスクリエイト、電気通信大学、東芝インフラシステムズと連携し、東京都のスタートアップ支援事業「Tokyo NEXT 5G Boosters Project」の一環として、2024年9月から12月にかけて大田区役所で実施された。
実証の目的は、ローカル5Gと分散アンテナシステム(DAS)をアバターロボット「newme(ニューミー)」に接続し、区役所の窓口サービス向上や業務DX化、多言語対応の有効性を検証することだった。アバターは大田区役所の総合受付や戸籍住民課窓口などに設置され、遠隔地のオペレーターが操作。来庁者に対して行政サービスの案内や受付、接客を行った。

実証期間の48日間で、延べ2,601件の案内を実施。1日あたり約50件の対応が可能で、多言語対応も110件あり、外国人利用者の需要も確認できた。区役所職員の7割が現担当職務で活用可能性があると回答し、現場での受容性も高かった。
通信面では、ローカル5GおよびDAS環境下でnewmeの案内成功率は93.3%と高水準。案内失敗の多くはオペレーターの知識不足によるもので、通信障害はほとんど発生しなかった。ローカル5Gの安定した通信環境がアバターロボット運用に有効であることが実証された。

利用者アンケートでは、満足度が7点満点中5.8点、信頼性も同程度と高評価。遠隔でのアバターロボットによる接客・案内が十分受け入れられていることが分かった。
今後は、今回の成果をもとに、ローカル5Gとアバター技術を活用した行政サービスのさらなるDX化や多様なニーズへの対応が期待される。
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https://about.avatarin.com/info-news/news-release/9370/
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