KDDI、迷惑電話対策サービスを6カ月無料提供 特殊詐欺被害の防止へ本格対応
2025年6月11日 11時30分更新
KDDIは、2025年8月1日より、迷惑電話対策サービスを6カ月間無料で提供する取り組みを開始する。この施策は、年々深刻化する特殊詐欺被害の防止を目的としており、対象はau・UQ mobile・auひかりの契約者となる。
この取り組みは、政府が発表した「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」や、総務省から電気通信事業者に対して発せられた「固定・携帯電話、SMSおよびメールを悪用した特殊詐欺等に対する対応について」といった指針に基づくものだ。KDDIは今後、関係機関や他の通信事業者と連携しながら、複雑化する詐欺手口に応じた対策を講じていく方針だ。
警察庁の統計によると、2024年の特殊詐欺の認知件数および被害総額は過去最悪を記録した。近年では、国際電話や非通知設定された電話、さらにはフィッシングサイトへの誘導を目的とした詐欺SMSやメールなど、手口が多様化・巧妙化しており、KDDIは、これまでも詐欺対策として、迷惑メールやSMSの自動検知およびブロック機能を全契約者に自動適用で提供してきたが、さらなる被害防止の一環として、今回の無料提供に踏み切った。
具体的には、以下の2つのサービスを対象に6カ月間の無料提供を行う。
1つ目は、「迷惑電話撃退サービス」となり、対象はauまたはUQ mobileを契約している個人で、2025年8月1日から2026年3月31日までの間に本サービスを新たに申し込むことが条件となる。このサービスは、着信後に「1442」に発信して登録することで、次回以降の着信時に相手側に「お断りガイダンス」を流し、自動的にブロックするものだ。非通知でかかってきた電話でも登録が可能だという。

2つ目は、「迷惑電話 発着信ブロック」サービスで、こちらはauひかり電話の契約者が対象となる。利用には、2025年6月1日以降に「国際電話不取扱受付センター」へ国際電話の利用休止を申請し、さらに8月1日以降に本サービスを新たに申し込む必要がある。このサービスでは、常時更新される約3万件の迷惑電話データベースと、契約者宅内のホームゲートウェイが連携。危険な着信を自動でブロックし、発信時にも相手先の確認を行うことで、詐欺電話への接続リスクを低減する仕組みだ。ホームゲートウェイの交換が必要となる場合もあるが、利用者の安全を守る有効な手段として期待されている。

さらにKDDIは、SMSや電子メールを悪用した詐欺への対策も強化している。有料会員向けの「迷惑メッセージ・電話ブロック」では、詐欺の疑いがあるSMSや電話を自動検知し、警告表示を出す機能を提供しているほか、非通知や海外からの着信拒否設定も可能となっている。また、「迷惑SMSブロック」や「迷惑メールフィルター設定」など、詐欺やマルウェアを含む不正な通信をブロックする機能も標準搭載されており、これらは申し込み不要で自動適用されている。
KDDIは、これらの取り組みを通じて、利用者がより安心・安全に通信サービスを利用できる環境づくりを目指しているそうだ。特殊詐欺の巧妙化が進む中、通信事業者としての責任を果たし、社会全体での被害抑止に貢献していく構えだ。
参照元:https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-614_3948.html