アンカーなど7社と通信大手が協定、災害時の被災地電源を確保
2026年5月21日 09時30分更新

アンカー・ジャパン株式会社は2026年5月18日に、モバイルバッテリーメーカー各社および通信事業者各社と、大規模災害発生時における被災地への電源確保に関する連携協定を締結したと発表した。この協定に参加するモバイルバッテリーメーカーは、アンカー・ジャパン株式会社のほか、株式会社INFORICH、EcoFlow Technology Japan株式会社、エレコム株式会社、株式会社オウルテック、株式会社CIO、株式会社ユーグリーン・ジャパンの計7社である。また、通信事業者は「つなぐ×かえるプロジェクト」に参画するNTTグループ(NTT株式会社、NTT東日本株式会社、NTT西日本株式会社、株式会社NTTドコモ、NTTドコモビジネス株式会社)、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社、楽天モバイル株式会社が名を連ねている。近年はデジタル化の進展に伴い、災害時の被災地における電源確保の重要性が急速に高まっており、スマートフォン等の充電環境の維持が人々の安心に直結している。この協協定に基づき、各社はそれぞれの強みを活かして避難所等への電源関連機材の提供と効率的な配送に向けて協力体制を構築する方針だ。実際の取り組みは2026年6月1日より開始される。
この協定が締結された背景には、災害発生時における支援の迅速化と効率化という課題が存在する。これまでもモバイルバッテリーメーカー各社は、個別にモバイルバッテリーをはじめとする電源機材の提供等を通して被災地支援を実施してきた。しかし、自社単独の資源や物流網では、広範囲におよぶ被災地への適時適切な支援が難しい場合があったという。一方で、通信事業者各社は、開設された避難所における通信環境の確保や復旧に向けた支援活動を広く行っており、被災地の状況やニーズをリアルタイムで把握できる立場にある。そこで、今回の連携により、モバイルバッテリーメーカー各社が提供する支援機材を、通信事業者の持つ物流・配送能力や現場ネットワークを活用して避難所などへ届ける仕組みを整えた。これにより、避難所に避難している被災者は、スマートフォンなどの充電手段をこれまで以上に迅速かつ確実に確保できるようになる。家族や知人との安否確認の連絡、自治体やニュースからの必要な情報入手を安心して行える環境が整い、災害時の避難生活における支援が大幅に強化される見込みだ。

具体的な取り組みの概要として、大規模災害が発生した際にモバイルバッテリーメーカー各社が電源機材を調達・提供し、通信事業者が被災地の要望や被災状況に応じて避難所などへ配送する役割を担う。提供される機材は、被災地の細かな要望や被害の規模、各メーカーの在庫状況などを総合的に踏まえて決定される。主な提供機材としては、持ち運びが容易なモバイルバッテリーや、各種スマートフォンに対応する充電ケーブルが挙げられる。さらに、機材だけでなく、使用方法や問い合わせ窓口、返却方法などが明記された取扱説明チラシも同時に提供されるため、IT機器の操作に不慣れな避難者でも円滑に利用できる工夫がなされている。また、避難所支援に関する情報発信の共通化も進められる。モバイルバッテリーメーカー各社のウェブサイトにおいて、共通の様式を用いて支援内容や機材の配備状況などが掲載される予定だ。これにより、被災者や関係者がどのメーカーのサイトにアクセスしても、一目で必要な支援情報を把握できる視認性の高い環境が作られる。
今後に向けて、協定に参画する各社は本協定に基づく取り組みの実効性を高めるため、定期的な合同訓練などを実施する計画だ。実際の災害を想定したシミュレーションを重ねることで、有事の際における機材の調達から配送までのタイムラグを極小化し、被災地における支援を確実かつ迅速に行える体制を維持していく。さらに、今後は連携する事業者の枠組みをさらに拡大していく方針も掲げている。より多くのメーカーや関連企業がこのプロジェクトに加わることで、備蓄される電源機材の総量を増やし、多様なニーズに対応できる強靭な支援ネットワークの構築を目指すという。民間企業が業種の垣根を越えて連携し、被災地のインフラを支える取り組みを継続することで、災害に強い持続可能な社会の実現にさらに寄与していく。
このように、モバイルバッテリーメーカーと通信事業者が手を取り合うことで、災害時における被災者の通信と電源の命綱がより強固なものとなる。




