スマートグラス、ペット向けウェアラブルなど様々なデバイスが集結――第一回ウェアラブルEXPO

2015年1月15日 15時21分更新


 1月14日から16日にかけて、東京ビッグサイトにて「第1回ウェアラブルEXPO」が開催された。Google glassやApple Watchといったウェアラブル分野への注目が高まる中、ウェアラブル端末や関連技術が数多く出店され、3日間で18,794人もの人が来場するなど活気を見せていた。早くも第2回開催も決まり、ステージは今回の4倍を予定するなど、今後も一層盛り上がりを見せていく分野となっていきそうだ。
 本稿ではビジネス向けの展示会の中でも、コンシューマーよりの製品を幾つかピックアップして紹介したい。

・美貴本

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 ウェアラブルEXPOでは数多くのメガネ型のウェアラブル端末が出展されていたが、ビジネス向けの展示会というのもあり工場や医療現場向けのものが多かった。その中で、日本国内でFitbitの取り扱いをしている美貴本のブースではカナダのRecon社製のサングラス一体型端末「Recon Jet」を展示していた。

 「Recon Jet」はスポーツ向けのスマートグラスとなっており、右側に非透過式のディスプレイを搭載。GPS、ジャイロスコープ、加速度、方位計、高度計、温度計といった様々なセンサーを内臓しており、それら情報をディスプレイに映し出すことができる。ディスプレイは運動中の邪魔にならないよう、目線を下げた時にのみ表示するということも可能だ。操作は右側面にあるタッチパッドと下部の物理ボタンで行う。HDカメラも内蔵しており、装着中に写真や動画も撮影できる。勿論BluetoothやWi-Fiによってスマートフォンと接続することにより、通話やSNSの通知も行える。またAndroidベースのOSで動作しており、SDKも公開されているので「Recon Jet」と連携する様々なアプリを開発可能だ。
 「Recon Jet」の他にはスキー・スノーボード向けのスマートグラス「SNOW2」やアウトドア向けのウェアラブルカメラ「Contour」シリーズも展示されていた。

・Anicall

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 ペット向けのウェアラブル端末ということで注目を集めていたのが企業がAnicallだ。「つながるコル」はBluetooth LEを利用してスマートフォンと連携するビーコンモジュールで、GPSなどを備えていないためボタン電池で1年以上動作する。この「つながるコル」をつけた動物同士がすれ違うことにより、出会ったことが記録され、動物同士のソーシャルネットワークを形成するものだという。これら記録はスマートフォンアプリやWebにて閲覧することができる。友達検索や足跡記録といった機能の他に迷子通知機能も搭載しており、他のユーザーが迷子の動物に出会った際に通知される仕組み。
 まず3月に「つながるコム」を、5月にはセンサー等が追加されペットの活動量を計測できる「しらせるアム」を発売する予定だという。更に7月には健康状態を管理できる商品を発売予定。また専用アプリでペットの写真を撮ることで表情解析を、センサーから行動解析を行うことでペットの気持ちを知ることができるようになるサービスも準備中だという。「つながるコル」をつけた動物同士がすれ違わないことにはペットのSNSも形成できないので、まずはサービスの広い普及に期待したい。
 畜産向けには1頭1頭の飼育・健康管理を可能にする「Cowcall」も開発中とのこと。

・ビックローブ

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 ビックローブのブースでは自社開発した超小型スマートフォンの試作品が展示されていた。OSはAndroid4.2を搭載、3G通信に対応する他、GPS、モーションセンサー、マイク、スピーカー、IPX5/7相当の防水性能、IP5X相当の防塵性能も持つ。特徴としては他のウェアラブル端末と違い、これ単体で通信、電話等ができることがあるだろう。また本体が小さいため、アタッチメントを付ければ腕時計方やネックレス型のウェアラブル端末として扱えることも挙げられる。専用アプリを開発することで、他のスマートフォンとの連携もできそうだ。
 具体的な商品化の見通しはまだ決まっていないとのことだが、MVNO事業者として自社のSIMをより広く販売するための試みの一環として本製品は開発されたとのこと。またLTEの普及により利用が少なくなった3G周波数帯の活用という面もあるようだ。子供向けのスマートデバイスとしての販売や、NFCを新たに付けるなど用途に応じてカスタマイズをしてビジネス現場で使用するといった用途が、今のところ考えられているという。

・JAWBONE

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 リストバンド型の活動量計「UP」シリーズで知られるJAWBONE社では新製品の「UP3」と「UP MOVE」を宣伝していた。「UP」シリーズは腕に装着しているだけで1日の歩数や運動量、睡眠時間が測定でき、Bluetoothによってスマートフォンと連携し、専用アプリにてそれらを分析できるのが特徴だ。アプリでは更に食生活の管理もできる他、「Smart Coach」機能により蓄積されたデータから健康に関するアドバイスをしてくれる。
 「UP3」はシリーズの最上位モデルと位置づけられ、新たに心拍数センサーと温度センサーが搭載されている。従来機より薄く、小さくなっており、常時装着していても気にならない大きさだ。水深10メートルまで耐えられる防水性能も備え、運動シーンではユーザーがランニングしているのか、自転車に乗っているのかなど自動で判別し、より詳細なアクティビティを記録できる。バッテリーは最大7日間持続。
 一方「UP move」はシリーズのエントリーモデルとなっており、「UP3」が2万円を超える価格なのに対して、こちらは6000円台と価格が抑えられている。より気軽にライフログを始めたいという人にオススメできるだろう。エントリーモデルということで「UP3」にあるような心拍センサーやバイブレーダーによる目覚まし機能は備わっていないが、睡眠・歩数・距離・消費カロリーはしっかり計測できる。カバーは腕に巻くバンドタイプ以外にもシャツやベルトに付けられるクリップ型カバーもあるので装着シーンも選ばない。こちらはボタン電池で駆動し、最大6ヶ月間バッテリーが持続する。

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