6割のユーザーが固定回線のセット割引を利用希望、中でも「ドコモ光パック」が利用意向度トップに

2015年1月13日 11時50分更新


・スマホ利用者、固定BBサービス利用者に占めるセット割引利用者は現時点で18%
・ドコモ光パック利用希望者は26%、全体の6割がセット割引の利用意向あり
・セット割引利用者の価格満足度は51ポイント、非利用者は40ポイントにとどまる
・2014年度末のFTTH利用者見込は2,677万件、 2017年度に3,000万件突破へ

 
 
 1月13日、ICT総研はモバイル・固定ブロードバンドサービスのセット割引ニーズに関する調査結果をまとめ、発表した。

 調査は2014年12月に行われ、対象はモバイルブロードバンド(スマートフォン)と固定ブロードバンドサービスを利用している3,087人、調査手法はWebアンケートを採用している。

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 それによると、固定ブロードバンド回線を利用しているユーザーは計84.3%になり、その内モバイルとのセット割を利用しているユーザーは18.1%であった。内訳はKDDIのセット割引である「auスマートバリュー」利用者が13.1%、ソフトバンクとのセット割引利用者が2.1%、その他のセット割引利用者が2.7%となっている。
 2014年12月時点でのスマートフォン利用者は6,000万件を超える一方、固定ブロードバンドサービス契約者数は3,600万件に達しており、モバイル通信と固定ブロードバンドサービスを併用するユーザーも多い。今回の調査でも39.4%ものユーザーが両者を利用しつつもセット割引を利用していないので、今後のセット割引の潜在需要は高いのではとICT総研は分析している。

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 モバイルとのセット割引で昨今話題を集めているのが、NTTドコモが今年2月より提供開始すると告知している「ドコモ光パック」である。「ドコモ光パック」はNTTドコモの携帯電話回線とNTT東西の光アクセスを同時利用することが適用条件となっており、光回線サービス市場で約7割占めるNTT東西と国内のモバイル市場で最大のシェアを持つNTTドコモが、このようなセット販売を行うのはNTTグループによる囲い込みだと問題視されている一面がある。
 今回の調査でもセット割引利用意向について問いており、「事業社を乗り換えてまでセット割引を利用したいと思わない」と回答したユーザーが40.5%ありつつも、約6割のユーザーがセット割引を利用したいと回答。その中でも「ドコモ光パックを利用したい」と回答したユーザーが一番多く、26.1%に達しているのは注目すべきだろう。他キャリアは「auスマートバリューを利用したい」が15.4%、「ソフトバンクのセット割引を利用したい」が7.8%に留まっているので、ユーザーからすれば「ドコモ光パック」は魅力的な選択肢となっているようだ。

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 光回線サービス(FTTH)の市場予測についてだが、ICT総研は2017年度末までに3,073万件に拡大すると予測している。FTTHの累計加入者数は2013年度末時点で2,537万件に達しつつも、ここ数年は伸び悩む傾向にある。2014年度末(2015年3月末)の累計契約数を2,677万件と予測しており、年間の純増数は140万件程度にとどまる見通しだという。しかし2015年度以降はNTT東西の光アクセスサービスが卸販売により、NTTドコモをはじめとして様々なプロバイダーを通じて新サービスが提供されるため劇的に回復することはないとしつつも、一定数の需要拡大が見込まれるため、2017年度末に3,073万件の累計加入者になると予測している。

 なお詳細なレポートに関しては以下のリンクを参照してもらいたい。
・ICT総研:「2015年1月 モバイル・固定ブロードバンドサービスのセット割引ニーズ調査」
 http://www.ictr.co.jp/report/20150113000072.html

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