空間の位置情報を共通ID化へ、ミラリスタが「空間アドレス」構想を発表
2026年4月15日 10時00分更新

建設・製造業向けソフトウェアを手がける株式会社ミラリスタは4月14日、現実空間のあらゆる場所に一意の識別子を対応付ける新基盤構想「空間アドレス」を発表した。インターネットにおけるIPアドレスのように、”場所そのもの”をIDで扱えるようにするアプローチだ。

産業用IoTセンサーの普及により、複数のデバイスやシステムが同一空間内でリアルタイムに位置情報を共有するニーズが急速に高まっている。一方で、工場内の複数ロボットの協調制御や、地下・屋内インフラの点検といった領域ではGPSがほぼ機能しない。加えて、異なるメーカーのロボットやシステムが異なる測位手段(GNSS、SLAM、マーカー等)を使っているため、「同じ場所を同じ場所として認識させる」こと自体がコストのかかる作業となっているという。位置情報を基盤としたビジネスが次のフェーズに進もうとするとき、この”座標の限界”が壁として立ちはだかっている。
異なるシステムが「同じ場所」を共有できる基盤へ
ミラリスタが提唱する「空間アドレス」は、現実空間を一定単位で分割し、それぞれに識別子を付与する概念だ。従来の座標が測定方法に依存する値であるのに対し、空間アドレスは測位手段に依存しない。異なる手段で取得した位置情報であっても、同一の場所であれば同一IDとして扱えるのが特徴だとしている。
用途に応じて空間の解像度(LOD:Level of Detail)を変更できる設計で、屋内外をまたいだ一貫した位置表現も可能だという。人・ロボット・車両・ドローンなど異なる主体間で共通参照できる空間の共通言語として機能させることで、従来必要だった座標変換や個別対応を不要にし、システム間連携のコストを大幅に下げることを目指すとしている。

同社が想定するユースケースとして、複数ロボットが同一作業エリアで干渉を回避しながら作業を分担する工場内協調、人と重機が同一の危険エリアを共有認識する建設現場の安全管理、橋梁・トンネル・上下水道などGNSSが届かないインフラ点検での人・ロボット間の位置一致などが挙げられている。
また、場所のIDを指定するだけで目的地までの移動経路を自動生成できる仕組みの実現も視野に入れており、自動運転や搬送システムにおける複数車両間での経路調整・渋滞回避・衝突回避といった協調制御への展開が期待される。構想は現時点で特許出願段階で、同社は「今後の技術検討および実証を進める」としており、製品・サービスとしての提供時期は未定だ。
空間アドレス構想は、2026年4月15〜16日に幕張メッセで開催される「Startup JAPAN EXPO 2026」(小間番号:15-44)にて初公開予定。会場では具体的な適用イメージも紹介するとしている。
同社代表の金野氏は「将来的には、”場所のID”を指定するだけで移動や作業が実行されるような仕組みの実現も視野に入れている」とコメントしている。位置情報を基盤としたサービスが次のステージへ進むための共通インフラとなり得るか、今後の実証に注目したい。
ミラリスタ リリース:https://mirarista.com/?p=470





