IIJ、クラウド自動化支援サービス提供開始

2025年9月4日 12時26分更新


 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は2025年9月3日、「IIJ IaC導入支援ソリューション」の提供を開始した。これは、ITインフラをコードで定義し、構築・管理を自動化する「IaC(Infrastructure as Code)」の導入を検討する企業を、初期学習環境の提供から実践的な支援までをワンパッケージで行うことで、スムーズなIaC導入を後押しすることを目的としている。

IaCとは、ITインフラの構成をコードとして記述し、インフラの構築や管理を自動化する手法だ。従来、手作業で行っていたサーバやネットワーク機器の設定をコード化することで、構成の再現性や精度が向上し、作業ミスの削減や効率化、さらに構成のバージョン管理も可能となる。

近年、クラウド利用の拡大やDevOps推進に伴いIaCへの注目が高まる一方、IaCの導入には専門知識の習得や環境整備が必要であり、「どこから手を付けてよいか分からない」「社内に知見を持つ人材がいない」といった課題を抱える企業も少なくない。IIJは、こうした企業に対して、初期導入段階の学習と技術支援を提供することで、IaC活用のハードルを下げ、属人化しないクラウド運用体制の構築を支援するという。

「IIJ IaC導入支援ソリューション」では、IaCの基礎技術を実践的に学べるAWS上のデモ環境とサンプルコード、技術支援をワンパッケージで提供する。
IIJがAWS上に構築したデモ環境では、オープンソースの自動化ツールであるTerraform(インフラ構築・管理)とAnsible(OS・ミドルウェアのデプロイ・構成管理)によるIaCの基本構造を体験的に学習できる。実行環境の利用方法やコード内容の説明会、QA対応も含まれ、基本知識の習得から社内ナレッジの定着、本格導入までを一貫して支援する内容となっている。

導入プロセスは3ステップに分かれており、「デモ環境の構築」「自動構築のテスト」「スタートアップ支援」が順に実施される。料金はそれぞれ36万円、60万円、60万円(いずれも税抜)。

なお、このソリューションは、IIJが提供するクラウド導入支援フレームワーク「CAF(Cloud Adoption Framework)」の構成要素の一つ「環境」の視点のうちの、マルチクラウド活用を支援するソリューションとして位置づけられているものだ。

クラウドの活用が進むなかで、インフラ運用の自動化は避けて通れないテーマとなっている。IIJの新サービスは、こうした時代の要請に応える実践的なソリューションとして、多くの企業の関心を集めそうだ。

URL: https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2025/0903.html

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