熊本市の避難所担当職員、情報伝達や避難所間での情報共有LINEを活用しスムーズな避難所開設・運営を目指す
2018年4月10日 12時20分更新
LINE株式会社は、2017年4月に熊本市と「情報活用に関する連携協定」を締結し、2018年3月には共同で校区単位で身近な地域情報を発信する熊本市LINEアカウントを開設するなど、共に地域課題の解決や、防災・復興・振興の推進に取り組んできた。
熊本市は、熊本地震(余震)から2年というタイミングにあわせ、2018年4月15日に、熊本地方を震源とする震度6強の大規模地震が発生した想定で震災対処実動訓練を行う予定だ。この訓練は、市内複数校区が個別ではなく一斉に訓練を実施する点が特徴で、職員約1万人、住民約3,000人が参加し、過去最高規模の動員を予定している。
熊本市では、熊本地震時に連絡手段としてLINEが有効であった経験から、緊急時の職員間の情報収集・伝達手段のひとつとしてLINEを活用することを検討しており、今回の震災対処実動訓練では、LINEと、熊本地震当時LINEを避難所運営に有効活用した熊本県立大学澤田研究室と共同で、区対策部と避難所間でのLINEを活用した情報収集・伝達の実証実験を行う。訓練後は、検証・改善を行い、「熊本市型運用モデル」を作成して実際の災害時での運用も可能にすることを目指す。
なお、2017年4月以降に熊本市で実施した「職員安否確認訓練・職員参集訓練」では既にLINEが活用されていたが、「情報収集・伝達訓練」での活用は、今回が初めてとなる。
■情報収集・伝達訓練
熊本市中央区対策部と44箇所の避難所担当職員をあわせた約120名でLINEのグループを作り、避難所の安全点検結果や避難者数などの情報収集・伝達および避難所運営を行う。LINEのグループ上でやりとりを行うことで、対策本部からの一方的な情報共有だけでなく、双方向の情報伝達ができ、避難所間での情報共有も可能になる。地震当時、避難所運営にLINEを有効活用した熊本県立大学の学生も参加して取り組む。
■職員安否確認訓練・職員参集訓練
危機管理防災総室より各対策部内連絡調整員へ、訓練開始をLINEや電話等にて連絡。局(区)対策部ごとに構築された連絡手段や連絡網により、いち早く職員の安否確認をおこなう。
災害などの緊急時こそ、コミュニケーションが非常に大きな役割を持つ。特に、情報を迅速に収集・伝達することが求められるが、その手段は電話や防災無線に限らず複数準備しておく必要がある。また、災害だけに特化したツールでは、住民・職員が使い慣れていないなどの理由から、操作の迅速さに欠ける場合もある。日本国内の月間アクティブユーザー7,300万人を擁するLINEは、普段から使い慣れているという住民・職員が多く、熊本地震時にも実際に使用された通り、迅速に情報収集・伝達するために有効であるという可能性が高いと考えている。