法人向け携帯電話サービス、大企業・中堅企業市場ではKDDIが顧客満足1位、法人市場でもスマホ利用が主流に

2017年8月24日 11時49分更新


 J.D. パワーは、2017年日本法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査の結果を発表した。同調査は、全国の従業員規模50名以上企業の各種電話サービスの管理・意思決定関与者を対象に、主に利用している法人契約の携帯電話(データ通信カード、タブレット端末は評価対象外)の利用実態や顧客満足度を調べるものである。今回が第9回目となり今年6月に郵送調査を行った。なお、今年からPHSは調査対象から除外されている。
 
 同調査では、従業員数100名以上の企業を対象とした大企業・中堅企業市場と、従業員数50名以上100名未満の企業を対象とした中小企業市場の2つの市場に分けて調査を行っており、大企業・中堅企業市場で法人契約をしている2,327社、中小企業市場で法人契約をしている1,461社から回答を得た。なお、1回答社から最大2つの事業者(ブランド)の評価を得ており、評価件数は大企業・中堅企業市場で2,974件、中小企業市場で1,689件となっている。
 
 顧客満足度の測定にあたっては、4つのファクターを設定し評価を聴取している。それらの総合満足度に対する影響度を高い順にみると、「営業対応」(32%)、「コスト」(31%)、「電話機・サービス」(27%)、「トラブル対応」(10%)となっている。各ファクターにおける複数の詳細項目に対する顧客の評価を基に、総合的な満足度スコア(1,000点満点)を算出している。
 
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 大企業・中堅企業市場における総合満足度はKDDIが昨年に続いて2年連続での第1位(総合満足度スコア649ポイント)となった。以下、第2位はNTT ドコモ(同645ポイント)、第3位はソフトバンク(同626ポイント)となっている。3社ともに昨年から総合満足度が向上しており、KDDIが8ポイント、NTT ドコモが10ポイント、ソフトバンクが21ポイント向上している。
 
 中小企業市場では、総合満足度はNTTドコモが2年連続での第1位(総合満足度スコア629ポイント)となった。以下、第2位はKDDI(同614ポイント)、第3位はソフトバンク(同575ポイント)となっている。
 
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 利用している携帯電話機のタイプをみると、スマートフォンの利用率は年々増加しており、大企業・中堅企業市場では2年前の約4割から今年は約6割まで大きく増加している。企業で利用されている携帯電話機はもはや重要なITインフラとなっており、社員間での通話に留まらず、メールやスケジュール管理、ウェブ会議、ファイルの作成・共有等といった様々な役割で利用されていると推察される。
 同調査においても業務用アプリの利用率は年々増加がみられており、メールや社内システムとの連携といった使い方がますます進んでいる様子が伺える。CSの観点においても、こういった各種社内システムとの連携等のソリューション提案は高い満足度に繋がる傾向がみられており、今後もスマートデバイス活用に向けた提案活動の更なる活性化が期待される。
 
 今回の調査においてもMVNO(格安スマートフォン/格安SIM)の利用は大企業・中堅企業市場、中小企業市場ともに依然として低い水準に留まった。大企業・中堅企業市場では0.2%、中小企業市場では0.4%となっており、両市場ともに普及は進んでいない。比較検討される割合も両市場ともに1%に満たない状況が続いており、今後の切り替え先候補としてもほとんど挙がっていない。J.D. パワーは、法人市場における普及に向けて、通信品質やサポートに対する不安感の払拭、販売・営業体制の構築が必要になると分析している。
 
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