国内のSNS利用者、2020年末に7,937万人へ拡大 利用率は78.7%に―ICT総研調べ
2018年12月18日 10時17分更新
ICT総研は12月18日、2018年度のSNS利用動向に関する調査結果をまとめた。 同調査は、SNS運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,022人へのwebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものとなっている。なお、同調査では、SNSを「不特定多数のネットユーザー間の交流を促進する商用サービス」と定義している。
日本のSNS利用者は7,523万人(普及率75%)、2020年末に7,937万人へ拡大
日本国内におけるSNSの利用者(アクティブユーザー)は年々増加しており、2018年末には7,523万人に達する見込みである。2017年末の国内ネットユーザーは1億12万人と推定されるが、SNS利用者はそのうちの72.1%にあたる7,216万人だった。2018年の年間純増者数は307万人となる見込みで、1ヶ月平均で約26万人の利用者が増加を続けている。
SNS利用者は元々10代~20代の若年層が多かったが、SNS利用が当たり前になってきたことで40〜60代以上の年齢層にも拡大しており、登録者数・利用者数ともに増加傾向が見られる。
このまま普及が進めば2020年末には利用者数は7,937万人、ネットユーザー全体に占める利用率は78.7%に達する見通しだという。
ネットユーザーに占めるLINE利用率は81%、ツイッター 43%、インスタグラム36%
ICT総研が2018年11月に実施したアンケート調査では、4,022人のアンケート対象者のうち8割以上の人が「人とのコミュニケーション」を行う目的でSNSや通話・メールアプリを利用していると回答した。
全回答者の中で最もこのサービスの利用率が高かったのはLINEで80.8%、Twitterが42.8%、Instagramが35.8%、YouTubeが34.0%、Facebookが31.2%、Skypeが8.4%、TikTokが7.1%、となっている。
昨年との比較では、Instagram、LINE、Twitterの利用率が向上しているのに対してFacebook、Skypeの利用率は伸び悩んでいる。インスタグラムの利用率は昨年の利用率28.6%から7.2%増加し、Facebookの利用率を上回った。また昨年までのランキングには入っていなかったTikTokが利用率7.1%で急浮上している。
利用者満足度1位はユーチューブで79.7ポイント、インスタグラムが78.5ポイントで続く
主なSNSの利用者満足度に関するアンケート結果では、ユーチューブの満足度が最も高く79.7ポイント、次いでインスタグラムが2位で78.5ポイントとなった。3位のLINEは僅差で78.4ポイント、新興サービスであるTikTokは76.8ポイントで4位につけている。5位はツイッターで74.9ポイント、6位のスカイプは69.7ポイントとなった。
フェイスブックは利用率が下がっただけでなく満足度のランキングも落としており、64.5ポイントに留まった。新興サービスの出現やフェイスブックの個人情報流出トラブルなどが順位低下に影響しているようである。
LINE利用者の40%、インスタグラム利用者の54%が利用時間増加、フェイスブックは伸び悩む
SNSの利用時間について1年前との比較をしたところ、LINE利用者のうち40%が、利用時間が増えた(「増えた」「どちらかと言えば増えた」の合計)と回答している。インスタグラムの利用者のうち54%、ユーチューブ利用者のうち48%、ツイッター利用者のうち37%が増えたと回答している。
最近の利用傾向では、LINE、ツイッター、ユーチューブ、インスタグラム利用者はスマホ普及率の増加とともに利用者数・利用時間が増えているのに対して、パソコンでの利用者が多かったフェイスブックは利用時間もそれほど伸びていない傾向が見られる。インスタグラムは利用者数・利用時間ともに伸びており、今後さらに成長する可能性が高いと思われる。
また、1日に1時間以上SNSを利用する人の割合は、ユーチューブが43%、ツイッターが32%、インスタグラムが32%、LINEが28%と高めであるのに対して、フェイスブックは15%に留まっている。
SNSの利用目的は「知人の近況を知りたい」が40%、「人とつながっていたい」が36%
SNSを利用する理由についてのアンケート結果では、「知人の近況を知りたい」という理由が最も多く39%であった。「人とつながっていたい」といったコミュニケーションを求める理由も36%で2番目に多かった。「自分の近況を知ってもらいたい」が22%、「写真などの投稿を見てもらいたい」「自分の行動記録を残しておきたい」という理由がいずれも19%となっている。「いいね、などのリアクションが欲しい」という理由は15%に留まるが、このような自己アピールを行いたい心理もSNS普及の一因となっている。「仲間はずれにされたくない」といった理由も6%ほどあり、SNSを利用しない場合の不安も生じているようである。
また、1日1回以上の投稿をする人は、LINEユーザーが43%、ツイッターユーザーが31%と高めで、フェイスブックとユーチューブのユーザーは15%前後で低めの結果となった。
SNSのサービスも次第に多様化しており、コミュニケーションツールとして活用するものや、動画・写真の閲覧を主目的とするもの、写真映えのする投稿を目的とするものなどに分かれ始めている。今後は用途や目的に合わせてSNSを使い分けるユーザーが増えていき、様々なサービスが進化していくことになりそうだ。