Amazon、Globalstar買収でD2D加速。iPhone衛星サービスも引き継ぎ

2026年4月20日 10時28分更新


 米Amazonとグローバルスター(Globalstar)は2026年4月14日、アマゾンがグローバルスターを買収することで最終合意したと発表した。この買収により、アマゾンは自社の低軌道衛星ネットワーク「Amazon Leo」に端末直接通信(D2D)機能を追加し、地上の通信網が届かない地域でもモバイル端末での通信を可能にする。あわせて、AmazonはAppleとも新契約を締結し、iPhoneやApple Watchの衛星通信サービスを今後はAmazon Leoが支えていくことを明らかにした。

 Amazonは、グローバルスターが保有する既存の衛星運用、地上インフラ、および世界的に認可された移動衛星サービス(MSS)用の周波数免許を含む全資産を取得する。衛星通信に使用できる帯域は国際的なルールや当局によって厳格に管理されているが、Amazonはグローバルスターが持つBand 53/n53などの認可済み帯域を活用すると思われる。

 取引は規制当局の承認や特定の衛星打ち上げマイルストーンの達成を条件として、2027年に完了する予定だ。サービス展開としては、2028年から独自の次世代D2D衛星システムの展開を開始し、既存のブロードバンド向け第1世代・第2世代Amazon Leoシステムと統合された統一ネットワークを形成する計画となっている。

認可済み周波数帯域の取得で、D2D衛星通信の広域展開が可能に

 Appleとの新たな合意により、iPhone 14以降およびApple Watch Ultra 3で提供されている衛星経由の緊急SOSなどの機能を、今後はAmazon Leoのネットワークが支えることになる。Amazonは現在の対応モデルのサポートを継続するとともに、将来的な衛星サービスにおいてもAppleと協力する。これにより、ユーザーは緊急通報のほか、友人や家族へのメッセージ送信、ロードサイド・アシスタンスなどの機能を継続して利用できる。

 買収の背景には、地上ネットワークが未整備あるいは到達困難な地域の顧客や、モバイルネットワーク事業者に対して、信頼性の高い衛星通信ソリューションを提供する狙いがある。そのため、AmazonはグローバルスターのMSS周波数免許や既存インフラを取得し、D2D展開を加速させる方針だ。 Amazon LeoのD2Dシステムは、従来の技術よりも周波数利用効率を大幅に高める設計となっており、高速な通信性能を実現するとしている。こうした高効率・高性能な衛星通信により、モバイルネットワーク事業者は大規模な地上設備投資なしに、自社サービスを未整備地域や災害被災地へ拡張することが可能となる。

 Amazon Leoは2028年よりデルタ航空への機内Wi-Fi提供を予定しているほか、アフリカの農村部などでの接続拡大も進めている。数千基の衛星からなるコンステレーション(衛星群)が完成すれば、世界中の数億のエンドポイントをサポートし、地上ネットワークが到達困難な地域にも信頼性の高い通信インフラをもたらすことになるという。こうした衛星通信の拡大は、デジタル格差の解消に向けた重要な取り組みとして期待されている。

出典:https://www.aboutamazon.com/news/company-news/amazon-globalstar-apple

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