スマート林業の実現に向けて電動四足歩行ロボットの実証実験を実施

2022年6月29日 12時36分更新


 森林総合研究所とソフトバンクは、電動ロボットの活用によるスマート林業の実現とゼロエミッションに向けて、2021年度に電動四足歩行ロボットの歩行実験を行い、ロボットが林業で担える作業を検証するための実証実験を2022年6月から開始した。
 同実証実験は、2021年度に森林総合研究所とソフトバンクが国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構から受託した、「NEDO先導研究プログラム/農山村の森林整備に対応した脱炭素型電動ロボットの研究開発」において実施するもの。2021年度は、北海道下川町などにある造林地や急傾斜地などの過酷な環境下で電動四足歩行ロボットの歩行能力について調査・検討を行い、一定の条件下であれば斜面や障害物などがあっても安定した歩行ができることが分かった。
 2022年度は、電動四足歩行ロボットが造林地の巡回や監視、荷物の運搬などの作業を担えるかを検証する試験を実施し、作業が可能な地表面の凹凸や柔らかさ、傾斜などを明らかにしるる。また、造林地で設定したルートを自動で歩行する機能や、複数台のロボットで協調作業を行うためのシステムの開発に取り組む。さらに、造林地の多くを占める携帯電話の電波が届かない場所でもロボットを運用するために、衛星通信や長距離・広範囲をカバーするWi-Fiなどの複数の通信手段を用いて、造林地でロボットが自動で歩行するための通信環境の構築および検証を行う。ソフトバンクは、自動歩行機能に高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」を活用する他、通信事業者として持つ知見やノウハウを提供する。なお、実験は下川町および茨城県つくば市で計2回行う予定で、ロボットは米国Boston Dynamics社の「Spot(スポット)」を利用する。

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