NTTデータ、企業向け業務特化AI開発基「LITRON Builder」提供開始

2025年12月10日 10時41分更新


​ 株式会社NTTデータは2025年12月9日に、企業や利用者が自らの業務に最適なAIを開発可能にする開発基盤「LITRON Builder(リトロン ビルダー)」を2026年4月から提供開始すると発表した。この「LITRON Builder」は、企業のガバナンスルールや利用者の業務に最適化されたエージェント型AIを、誰もが自然言語で扱えるように開発することを可能にする。加えて、共創エコシステムを実現するLibrary機能の利用を通じて、「LITRON Sales」などNTTデータが開発したエージェントや、同基盤に蓄積される他社のエージェントも活用できるという。NTTデータは、この取り組みにより「LITRON」シリーズを中心とした共創エコシステムを強化し、「LITRON Builder」をはじめとする「LITRON」関連ビジネス全体で、2027年度末までに累計200億円規模の売り上げを目指す。


​ 生成AIの活用は世界的に拡大しており、企業や個人の働き方が急速に変化している状況だ。近年では、汎用的なAIツールだけでなく、ノーコードAIエージェント構築ツールなどが登場し、専門知識がなくても自社業務に特化したAIを自ら作成する動きが進んでいる。しかし、業務プロセス全体を変革するまでには至っておらず、現場やビジネス全体の生産性向上には課題が残っているのが現状である。NTTデータはこれまでも、自律的に業務を実行するエージェント型AI実行基盤「LITRON CORE」などを通じて、顧客の業務活用を支援してきた。昨今、企業独自のルールやセキュリティ要件に対応しながら、より自律的に業務フローを理解・開発・実行するエージェント型AIへの需要が高まるなか、NTTデータはLITRONシリーズを一層強化するため、「LITRON Builder」を新たに提供することにした。これにより、顧客の業務に最適化されたエージェント型AIを自由に開発できる環境を実現するねらいだ。


​ この「LITRON Builder」は、エージェント型AIの開発基盤であり、エージェント型AI実行基盤「LITRON CORE」と組み合わせることで、企業のガバナンスルール・セキュリティ要件や利用者の業務・ITインフラ環境に応じた柔軟なエージェント型AIの開発・利用が可能となる。これにより、顧客の業務を抜本的に変革する見込みだ。エージェント型AIを業務プロセスへ自然に組み込むことができるようになるほか、利用者は自然言語またはコーディングによって開発可能となる。さらに、「LITRON Sales」や「LITRON Marketing」といったNTTデータ作成のエージェントや、他企業が作成したエージェントを組み合わせることや、さまざまなSaaSや社内システムと連携することも可能となるため、高度なITスキルを要することなく誰でも幅広いエージェント型AIを活用することができる。「LITRON Builder」の提供は、開発済みのエージェントを汎用化して他社利用を可能にするLibrary機能や、パブリッククラウドからオンプレミスまであらゆるプラットフォームに対応したMulti Platform機能、そしてコンサルティングや教育支援などのオプションサービス群を組み合わせることで実現している。

 「LITRON Builder」には主に4つの特長がある。1つ目は、現場フィットな業務特化型AIを開発できる点だ。自然言語(ノーコード)・ローコード・コーディングなどあらゆる方法で、自社固有の判断ルールや書式に対応する業務特化型のエージェント型AIを開発できる。これは業務システム群と自律的に連携し、顧客の業務を代替する。

2つ目は、業務の流れに自然につながるAIであることだ。チャット操作を必要とせず、業務アプリやワークフロー上でAIが自律的に動作し、人とAIが並んで働く状態を実現する。3つ目は、つくって広げる共創エコシステムを形成する点だ。顧客やパートナーが開発したエージェント型AIを資産として再利用可能となり、NTTデータが提供する特化型AIサービスも利用できる。部品化・共有を通じて開発効率と知見の循環が促進されるという。4つ目は、30年以上の社会インフラ運用実績を基盤とした、高セキュリティ・高信頼のAI実行環境を構築する安心・安全に動き続けるAIである点だ。ソブリンクラウドなどの最新技術にも対応する。これらの特長を生かし、誰でも業務特化型AIを開発・利用できる環境を提供する考えだ。例えば、複雑な審査業務においても、申請情報と審査項目との照合や判定など多様な作業をエージェント型AIがワークフロー・タスクに落とし込み、必要な審査プロセスを動的に組み合わせ、一気通貫で審査業務を完了させるユースケースが挙げられる。

 今後、NTTデータはLITRONシリーズを中心に、エージェント型AIの開発・利用・拡張を支援する共創エコシステムを強化し、業種・業務を問わず現場にフィットしたAIの普及を進める。まずはパブリッククラウドでの提供や自然言語・コーディングでの開発に対応し、今後はオンプレミス環境への展開やローコード開発の対応を予定しているという。NTTデータは、LITRON関連ビジネスについて、2027年度末までに累計200億円規模の売り上げを目指すとともに、「Smart AI Agent®」構想のもと、企業が自らAIを創り出し、業務変革を加速させる社会の実現を目指す。

参考URL:https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2025/120901/

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