国内IT投資規模、2014年は微増の傾向

2014年5月22日 13時24分更新


・ガートナージャパンが2013年国内IT投資規模を23兆円(前年比1.9%増)と発表。
・「運営」から「成長」「変革」へ投資目的がシフトしているか。

 
 
 ガートナージャパン株式会社は「2014年上期国内IT投資動向」を発表した。

 日本企業のIT支出規模は、2013年は景気回復とWindows XPの保守切れや消費税増税へのシステム対応などの不可避な外部要因もあり1.9%の増加となったが、2014年はその反動もあり0.87%の微増にとどまるものと予測しており、2017年までの年平均成長率 (CAGR) は、1.1%になると予測する。

日本のIT支出規模予測

日本のIT支出規模予測

 またIT投資その内容については日本企業のIT予算の8割弱は「運営」(継続的なビジネスのオペレーションを実現するIT支出。固定費なども含む)に費やされており、ビジネスの「成長」「変革」のための予算はそれぞれ13.3%と9.1%にとどまっているなか、2014年度は新規参入や新たな代替技術の登場、規制環境・制度の変化などを背景とした「成長」「変革」のための投資の方を相対的に増加させている企業が多いと分析している。具体的には、クラウドやモバイル等に企業の関心が高まっているようだ。また「ビジネス・インテリジェンス (BI)」への興味の上昇が顕著であった一方、「文書管理・情報共有」では低下した。

 ガートナーのリサーチ・アナリスト、成澤理香氏は「『成長』『変革』をもたらす技術領域と業界特性とを掛け合わせた『新たなビジネスモデルやIT戦略の転換を実現した具体的な事例』を早急に構築し、展開することが重要」と提言する。

 IT投資の要の一つの「ビッグデータ」にしてもデータの取得だけでは意味をなさず、そのデータを活かすアクションと実績が必要となる。ITベンダーの取り組みに期待したい。

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