2019年には国内IoT市場は16兆円に成長、流通・インフラは伸びしろ大きく

2015年3月19日 17時00分更新


 3月19日、IDC Japanは国内IoT市場 産業分野別投資動向の実績と予測を発表した。

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 2014年の国内IoT市場の売上額9兆3,645億円であり、産業分野別の投資額割合でみた場合で最も大きいのは「製造/資源」セクターで市場全体の40%を超える規模となった。次いで「流通/サービス」セクターと「公共/インフラ」セクターで、それぞれ市場の25%程度。「金融」セクターおよび「個人」セクターはともに5%弱の割合となっている。
 「製造/資源」セクターの売上額が突出して大きい背景として、IDCは組立/加工製造といった産業分野において、産業用ロボットや工作機械、およびそうしたさまざま機械を制御するためのシステムを中心にIoTとして早期から活用してきたことが大きく関係していると分析している。

 2014年から2019年までの国内IoT市場の年間平均成長率は11.9%で成長し、2019年には16兆4,221億円に達するとIDCでは予測。なかでも輸送機械の運行管理や自販機の在庫管理などの用途が該当する「流通/サービス」と、電力の送電/配電監視や上下水道の遠隔保守などの用途が該当する「公共/インフラ」では伸び代が大きく、年間平均成長率はそれぞれ12.2%および12.1%と、全体の成長スピードよりもやや高い水準で推移するとみている。

 IDC Japan コミュニケーションズ マーケットアナリストの鳥巣悠太氏は「IoT事業者は、現時点での投資額が大きい業種だけでなく、これまでIoTとの親和性があまり高くなかった市場に対してもビジネスを拡大すべく、事業者同士の連携や、IoTを簡易的に実現するトライアル環境の構築が重要になる」とコメント。また「IoT事業者としては周辺環境の改善にむけては受け身ではなく、各エコシステムが一丸となって政府に対して働きかけを行うことでエコシステム全体を活性化させ、事業者同士がWin-Winになれる体制が構築できる」とも述べている。

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