KDDI業績発表、AI領域では基盤と体制を強化

2026年2月10日 11時47分更新


 KDDI(9433)は2月6日、2026年3月期第3四半期(4~12月)の連結業績の参考値を発表した。連結子会社での不適切会計を受けて決算開示を延期し、正式な発表は調査完了後(3月末目途)を予定している。これによる今期分の修正と外部流出額の引当後ベースでは、売上高がYoY+3.8%、営業利益がYoY+0.9%となった。現時点で影響額は修正基準を下回るとして、通期業績予想の修正は行っていないが、結果により修正の可能性はあるとしている。

主力事業の動向
モバイル事業では、価値提供による単価上昇と顧客の長期利用を推進している。ARPUは4,550円(YoY+190円)に上昇。解約率も1.23%(YoY▲0.01pt)と低下傾向で、ブランド間移行もUQ mobileからauへの移行が逆方向を上回るプラス転換を果たした。UQ mobileでの端末セット販売強化や、auマネ活系プランの累計契約者数は175万人を突破、Pontaパス会員35万人純増などの価値づくりが奏功した。

 金融分野ではau PAY カードの会員数が1,063万人に達し、なかでも収益性の高いゴールドカード会員はYoY+24.5%の183万人と順調に拡大している。課題だった銀行の個人預金残高もYoY1.3倍と調達力が向上している。

 ビジネスセグメントでは、IoT累計回線数がソラコム含め6,600万回線(YoY+19%)に達し、IoT関連サービスは第3四半期単独で売上がYoY+28%となった。
 ネットワーク面では、衛星通信サービスau Starlink Directが2026年1月に国内接続エリアを約2倍に拡大し、接続数は約350万人に達した。2026年3月には米国ローミングの開始も予定している。また、5G SA契約者向けサービスのau 5G Fast Laneは2026年1月時点で累計利用者数が150万人を突破した。

AI領域では基盤と体制を強化
 また、全国の陸揚局と光海底ケーブルを活用した「AIデジタルベルト構想」も推進。通信基盤に新たなAI基盤を組み込み、全国の低遅延網・AI計算基盤を構築する。

2026年1月22日には、シャープ旧液晶工場を転用し大規模電力・水冷設備を備えたAI専用拠点「大阪堺データセンター」を稼働開始し、ソブリン性を確保した国内GPU基盤の提供を本格化。2月には宮崎に通信拠点を立ち上げる予定で、今後AIDCに拡大する。この拠点を活用し、MEIと製薬業界での医療ビッグデータ分析や製造業界での流体解析など、専門領域特化型のAI活用を支援していくとしている。

また、2026年4月1日にKDDIの中間持株会社とアイレットを合併し、新会社「KDDI iret(KDDIアイレット)」を設立。クラウドインテグレーションの実績を持つアイレットを核に、グループのAI開発力と営業機能を統合し、開発・運用までを一気通貫で提供する体制を構築する。2028年度には3,000名規模の体制を目指す計画だ。

関連記事:
AI社会実装の加速に向け、事業会社「KDDIアイレット」を始動
2026年3月期3Q業績説明会

関連カテゴリー