NTTドコモビジネス、AIによる顧客対応とマーケティングを強化

2026年10月30日 09時15分更新


 NTTドコモビジネスは10月28日、AIと通信を融合したコミュニケーションサービス「docomo business ANCAR」に、AIエージェントが顧客応対や関連業務を自律的に実行する機能と、音声・応対・コールデータを活用するAIマーケティング機能を追加すると発表した。

AIが電話応対から業務運用まで担う

 新機能のうち、「docomo business ANCAR Agent」は2026年度内、「docomo business ANCAR Marketing」は2026年12月に提供を開始する予定。AIによる電話応対の効率化に加え、顧客接点の運用自動化や、顧客データを活用したマーケティングの高度化を目指す。

背景には、コンタクトセンターや店舗などでの人手不足と、顧客データの分断という課題がある。同社によると、電話やチャット、店舗などに顧客との接点が分散し、蓄積された問い合わせ内容や応対データを事業活動に十分に活用できていないという。

ANCAR Agentは、企業が顧客窓口として使用する既存の電話番号をAIエージェントへの入口として活用する。顧客は従来どおり電話で話すだけで、問い合わせへの回答や窓口案内に加え、予約、注文、各種手配といった手続きまで完結できる仕組みを目指す。

同社の通信キャリア網上で稼働するAIエージェントが会話から用件を理解し、必要に応じて外部システムと連携してタスクを実行する。また、複数の拠点やチャネルに分散した顧客接点データを統合・分析し、コールフローの改善やFAQの生成・更新、通信インフラの改善などにも自律的に取り組む構想だ。

同社は2030年度までに、ANCAR Agentを導入した企業の顧客窓口で、着信の8割にAIエージェントが最初に応対する状態を目指す。対応が必要な案件は人に引き継ぎ、従業員が高度な判断を要する業務に注力できる環境の実現を掲げる。

一方、ANCAR Marketingは、同社の音声サービスを通じて蓄積される音声・応対・コールデータと、企業が保有する顧客属性、購買履歴、ウェブ上の行動履歴などを組み合わせて分析する機能。有望顧客の抽出や優先的にアプローチすべき顧客の判断を支援するほか、AIとの対話を通じて顧客層の傾向や購入につながる要因を分析し、マーケティング施策の立案に役立てるという。同社は、通信キャリア網のコールデータと通話音声、企業の顧客・購買データを同一基盤で統合し、AIによる施策立案を支援するSaaS型機能として国内初と説明している。

NTTドコモビジネスは、自社の主要コンタクトセンター9拠点にもANCARを導入し、効果を検証する計画。既存のコンタクトセンターではAI振り分け機能により、窓口への接続時間を約30%短縮したとしている。ANCAR関連事業では2030年度に600億円の収益を目指す。

*編集作業の一部にAIを活用しています

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