【ワイヤレスジャパン2014】 LINEAR Technology 「ダスト・ネットワークス」 “切れない”超低消費電力 無線センサ・ネットワークの実現
2014年6月1日 10時12分更新
ダスト・ネットワークス
“切れない”超低消費電力 無線センサ・ネットワークの実現
ケーブル配線の敷設が困難な場所にセンサを配置して、電池だけで長年にわたって監視する用途に適した、メッシュ型ネットワークを簡単に実現することができる製品群。既に世界中で2万以上のネットワークが稼動しており、20万以上のノードから20億時間以上データを集め続けている。実用化された応用分野には、プラントのプロセス・モニタリング、大都市の路側駐車の状況モニタリング、データセンタの温度監視など、既に100種類以上の実例がある。
設備の状態や周辺機器のモニタリングを目的とした石油精製プラント、コンベア・車軸・パイプ・タービンなどといった産業用途から、インテリジェント・パーキング、データセンタのHVAC(空調)制御、電源装置及び計測制御機器、エネルギーマネージメントと幅広く採用されているという。
「切れない無線」
無線が環境によって妨害されることを前提に、時分割多量のメリットを活用し、周波数、空間、時間の3次元の冗長性を備えた、非常に接続信頼性の高い方式を採用。今回の展示会ではシスコシステムズと協賛し、2.4GHz帯のWi-Fi通信が飛び交う展示会場内で、約100m離れたブース間での実証実験デモを実施した。
超低消費電力
各モードは正確な時刻に起動し、通信が終了すれば直ちに休止することにより、消費電力を極力抑えている。そして必要最小限の時間だけ送受信することにより、送受信時の消費電流は、他社比較で約2~6倍程度低くなっている。長寿命の電池と組み合わせて電池だけで5~10年の連続稼動を可能とする、完全なケーブルフリーの設置が可能な方式。
自動的な自己修復
電源スイッチを入れるだけで、同じネットワークIDを持つメッシュに自動的に参加し、メッシュ構造なので、一部の接続がダウンしても、ネットワーク通信を維持し続けるので、ユーザがこの自己修復作業を意識する必要はない。2.4GHz対の15チャネルを使用して周波数ホッピングを行うため、ほかの通信干渉や反射による自己干渉をしない。信頼性としては有線に匹敵するといえる。
活用例
プラント設備
プロセス制御用計装機器/システムで世界No.1の実績を誇るエマソン社の機器の通信網としても採用されている。
データセンタ
空調を自動制御し、消費電力を大幅に削減。ワイヤレスならではの導入コスト削減も可能に。
スマートパーキング
アメリカの市街地が渋滞する最大の原因は、「駐車場探し」である。ワイヤレスセンサネットワークを使って駐車場の空きスペースを見つけ、個人の端末に情報を送るスマートパーキング。ロサンゼルス市内のパーキングスペースに約2万台のセンサを設置した結果、秋スペースの有効利用や、正確な罰金の徴収で、氏の駐車場収入増加に貢献。車体による電波の乱反射に耐える強靭で柔軟なネットワーク網と、電池交換なしで10年間稼動する超低燃費が認められ、既にワシントンD.C.やアメリカ西海岸などの30都市以上で採用されている。
設備モニタリング
既存の太陽光発電の保守効率化を図る電流モニタリングを提案している。
従来のシステムでは、太陽光パネルを大量に一括で管理していたため、一部のパネルが故障しても調査手段がないゆえに、パネルの故障イコール発電効率の減少につながっていた。ワイヤレスによる電流モニタリングでは、太陽光パネルを一列ごとに細分化して電流を管理するため、故障したパネルを特定しやすくなることが特長だ。
セキュリティ
既に確立されている、セキュリティの3原則――完全性(データの改竄がないことを保証)、機密性(外部からデータを解読されないことを保証)、真正性(正しい送信元から送られたことを保証)――を忠実に守り、悪意の第3者による攻撃被害を防ぐ。また、メッシュを構成する全てのノードにおいて、公的機関で有効性が証明されたセキュリティ機構を実装している。
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