【CEATEC 2014】次世代のモバイルデバイスが勢揃い――パイオニア、東芝、京セラ

2014年10月16日 10時07分更新


 10月7日から11日にかけて、幕張メッセにて最先端IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2014」が開催された。今年のCEATEC JAPANのテーマは「NEXT – 夢を生みだし、未来を描け」となっており、547社・団体が出展。次世代の技術や製品が数多く展示され、5日間の登録来場者数は前年比6.8%増の15万0912人を記録した。DenpaNewsではその中からモバイル関連の展示を幾つかピックアップし、紹介したい。

・パイオニア

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 パイオニアのブースでは国内で初めて「Apple CarPlay」に対応したAVメインユニット「SPH-DA700」が展示されていた。「Apple CarPlay」はiPhoneをLightningケーブルでつなぐことで連携し、iPhoneの電話やSMS、マップといった「CarPlay」対応アプリをドライブ中でもシームレスに使うことができるカーシステムだ。
 「SPH-DA700」はあくまで「AVメインユニット」なので、単体ではカーナビとして使うことはできない。iPhoneをつなぐことで、iPhone側の機能をディスプレイに表示させる方式になっている。現在使用できるアプリはマップアプリの他、電話、SMS、ミュージック、ポッドキャスト。いずれもタッチパネルで操作できる他、Siriによる音声操作も可能だ。SMSではメッセージの読み上げにも対応。展示ではやや挙動が遅く感じたが、音声操作は正確に機能しており、ハンズフリーでの操作は問題なさそうだ。タッチパネルもシームレスに操作できたが、マルチタッチには非対応なのでピンチイン・アウトでマップを操作することはできず、その点はやや残念であった。 
 GPSは車載のものを使用するので、マップ機能はiPhone単体よりも高い精度で使用することができる。ただしデータ通信やマップの処理等は全てiPhone側にかかっているので、LTE圏外、さらに僻地ではマップの読み込みが遅くなってしまったり、バックグラウンドで多くのアプリを起動させていた場合などはマップの処理がもたついてしまうことが考えられる。以上のように、まだまだ従来のカーナビのように使用できるほどの信頼性はないが、今後「CarPlay」対応アプリが増えてくれば新たな価値を産み出す可能性が感じられた。

 また「CarPlay」以外では「SPH-DA700」は音楽再生機能で「MIXTRAXモード」を搭載。楽曲を自動的にミックス再生する際は、テンポが近い楽曲を自動的に選曲する他、楽曲にエフェクトを加えて曲間をつなぐことで、自然なノンストップミックス再生を実現している。この他USB接続することで端末内の映像・静止画の再生のほか、FM/AMラジオ再生、AUX入力等にも対応。

・東芝

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 既に市販されているEPSONの「MOVERIO」を始めとして、メガネ型のウェアラブル端末は複数のブースにて人気を博しており、東芝のブースでも「東芝グラス」のプロトタイプが展示され、体験デモにて多くの人が並んでいた。
 「東芝グラス」はフレームの右側に映像を投影するプロジェクターが設置されており、小型軽量で普通のメガネのような外観と装着感を目指している。現在はB2B向けに展開を考えており、例えば整備シーンの際にマニュアルなどを投影することでいちいち手元を見なくても済むようになる。あくまでメガネ型のウェアラブル端末は市場を作っている途上であり、如何に開拓していくかが課題だという。

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 また東芝のブースでは「紙と鉛筆」のような使い心地を目指した手書き技術搭載のWindowsタブレットが参考出展されていた。ワコムと共同開発した「アクティブ静電結合方式」により、走り書きや太さや濃淡の表現まで実現させている。手書きの文字や図形を検索できて再加工もできるノートアプリ「TruNote」や、写真や絵の文字を認識してテキスト変換するOCR機能のついたキャプチャアプリ「TruCapture」といった、手書き技術を活かしたソフトも搭載されている。10.1型と8型の2つのサイズを用意。発売日や価格はまだ未定だという。

・京セラ

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 京セラのブースではネットワーク・モバイル関連の取り組みが展示されていた。高齢者の社会との孤立化が社会問題として取り上げられる昨今、京セラは「IP告知システム」による地域のコミュニケーションの活性化を図っている。導入事例の広島県安芸高田市では1万世帯に7インチ液晶タッチパネルを搭載したIP電話の端末を配布。端末ではIP電話機能の他に、市からの情報を動画、画像を交えて分かりやすく提供する「お知らせ」、災害時の緊急放送を流す「告知放送」、農協の有線放送サービスの代替として「おくやみ案内」、市が1人暮らしの高齢者の状態をコミュニケーションによって確認できる「元気コール」といった機能を搭載。高齢者でも理解・操作しやすいようにデザインされている。また京セラはこの試みのためにIP電話やインターネットサービスを提供する中国ブロードバンドサービス株式会社を設立しており、今後の高齢化社会におけるニーズを掴もうとしている。

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 またブースで目を引いたのは「未来端末を支える京セラの超小型技術」と題された展示だ。曲げたり折りたたんだりと3つのスタイルに変化する「PROTEUS」、人工筋肉ヒンジでファブレット、ノートPCにシームレスに変形する大画面端末「FLEXION」、液晶をなくして小型化し、必要に応じて他機の液晶をハックして操作する「SYMPATHY」など、商品化などは一切目処が立っていないとのことだが、未来を感じさせるコンセプトモデルが展示されていた。

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