ドコモ、AIの導入で医療機関の業務を効率化
2020年3月26日 10時00分更新
NTTドコモは、荻窪病院において、看護師や医療事務職員の働き方改革の一環として、光学式文字読み取り(OCR)にAIを取り入れてより認識精度を高めたAI-OCRと、定型作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用し、医事日報作成や勤務報告書のチェックなど一連の定型業務の大部分を自動化する取り組みをした。
2019年11月から2020年3月の期間で11業務の自動化に成功し、推計値として年間1159時間の業務削減に相当する成果をあげた。同取り組みを、200床規模の他の病院で活用すると、年間で数百時間以上の効率化を実現できる見込みとなっている。荻窪病院では中規模病院を対象とした見学の受け入れも開始予定。
この取り組みで導入したのは、AI insideが提供するAI-OCRソフト「DX Suite(ディエックス・スイート)」とNTTアドバンステクノロジが提供するRPAツール「WinActorウィンアクター)」。DX SuiteとWinActorを組み合わせて活用した業務の効率化は、医療機関では全国初の取り組み。慢性的な人材不足に悩む医療業界において、PC上での手作業や手書き書類の処理など、膨大な手間と時間がかかる定型業務を効率化して過重労働を減らし、患者と向き合う時間を創出することは、大きな課題となっている。
勤務報告書や法定講習アンケートなどの手書き書類をスキャナーで読み込んだ後、認識精度の高いAI-OCRを利用して、自動で文字データに変換する。さらに、定型作業を自動化するRPAがデータの集計やシステムへの入力を行うことで、報告書を自動作成する。荻窪病院では、RPA単独利用を含めると、医事日報の作成や血液培養陽性患者を対象とした抗菌薬使用状況の確認資料の作成など11業務の自動化に成功した。
今後、自動化業務の領域を拡大し、年間3,000時間相当の業務効率化をめざすとしている。
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