ソフトバンク、病理専門医による遠隔からのコンサルテーション業務を 支援するプラットフォームサービスを提供

2016年10月6日 14時41分更新


 ソフトバンク株式会社とテクマトリックス株式会社は提携し、合同会社医知悟が開発した技術をベースに「遠隔病理プラットフォームサービス」の提供を2016年10月から開始すると発表した。

 患者から採取された病変組織および細胞を顕微鏡で観察し、病状を判断する病理診断を行う専門医(「病理専門医」)が圧倒的に不足している現在、多くの医療機関では、常勤の病理専門医が不在であるという深刻な課題に直面しているという。
 このサービスは、医知悟が開発した遠隔放射線画像診断用の専用通信機器「iCOMBOX」を用い、医療機関同士がネットワークを介して、対象となる画像や臨床背景情報を共有することで、病理コンサルテーション連携を実現。さらに、医療機関間でのコンサルテーション報酬精算など、各種業務支援機能を提供するようだ。
 また、本サービスはクラウドでの提供により、医療機関は院内に「iCOMBOX」を設置するだけで複雑な設定なしで、画像データの遠隔閲覧や高度な専門性(特定部位/臓器別など)を持つ病理専門医からのコンサルテーションを受けることができるので、患者への治療方針決定が早期に可能となる。さらに、病理医は本サービスを利用することで医療機関との効率的な連携が可能になるため、検査やコンサルテーションなどに関わる出張や事務的な業務負荷などの軽減が見込まれている。

 本サービスは保健医療機関間での連携に利用するインフラや、より高度な専門性(特定部位/臓器別など)が求められる症例での連携のほか、希少症例の共有などといった、さまざまな活用シーンでも応用が可能となっている。

【サービス概要】

1.特長

 ・「iCOMBOX」の設置により医療機関間の連携システムを容易に構築することが可能。オリジナル画像を高速処理し転送することで、コンサルテーション受信側の施設でも鮮明な画質で画像参照ができる。
 ・各社のバーチャルスライド装置(病理画像デジタル化装置)に対応。依頼施設ごとに異なるデータ形式を統合的に管理し対応することが可能となる。
 ・通信事業者が運営する高セキュリティーなクラウド環境で提供し、VPN通信に対応している。また、厚生労働省、経済産業省、総務省の3省が出している4つのガイドラインに準拠したものである。

2.提供機能

 ・電子的診療情報・レポーティング機能
 ・連携実績統計の集計(依頼件数統計、医師単位での統計)
 ・2次判断者への転送処理
 ・依頼の進捗確認機能
 ・助言機能
 ・部門システム連携のためのデータ変換機能(XML、CSV)

3.提供価格(税抜き)

初期費用 50万円(登録費)
月額費用 1万円(「iCOMBOX」基本料)
プラットフォーム利用料 600円/依頼
  
  

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