ワイモバイルが下リ平均25.22MbpsでUQ WiMAXを上回る――モバイルルーター電波状況実測

2015年3月4日 14時41分更新


・ワイモバイルが下り25.22Mbps、上り7.93Mbpsと、ともに通信速度で優勢

・UQ WiMAXは下り22.37Mbps、上り4.48Mbps。下りは十分な速度も、上りでやや苦戦

・モバイルルータ-未利用者の40.7%は、「月額料金が安ければ、利用を検討したい」

・モバイルルータ-2キャリアの新料金プランは、「ワイモバイル」支持が45.7%

 
 
 3月4日、ICT総研はモバイルルーター電波状況実測および利用意向調査の結果を発表した。今回の調査ではモバイルルーターで支持を得ている「ワイモバイル」(旧 イー・モバイル)と「UQ WiMAX」(UQコミュニケーションズ)の2つのキャリアを対象とし、それぞれ「305ZT」「W01」といった最新機種を使って電波状況の実態を実測調査の形で把握することを目的としている。また実測調査だけでなく、アンケート調査による新料金プランの利用意向実態の把握も併せて実施された。

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 実測の結果、ワイモバイルが平均下り速度が25.22MbpsでUQ WiMAXの22.37Mbpsを上回る結果となった。また下り速度だけでなく、上り速度でも平均7.93MbpsでUQ WiMAXの4.48Mbpsを上回っている。

 ワイモバイルは全国50地点全てで「AXGP」または「LTE」の電波を受信。また7都市中5都市でUQ WiMAXより下り速度で優勢、更に速度が1桁にとどまった地点が1つも無いなど、全国で安定した高速通信が行えるようだ。旧イー・モバイルのLTE網に加えてソフトバンクモバイルのLTE網も利用できることがその要因であると、ICT総研では分析している。

 一方UQ WiMAXも全国50地点全てで高速通信「WiMAX 2+」の電波を受信。ICT総研の2014年8月の調査では「WiMAX 2+」の受信比率は89.0%であったため、提供エリアが確実に拡大している様子が見て取れるという。
 下り速度では広島、福岡でワイモバイルを上回るなど拮抗した結果を残したが、速度が1桁に留まった地点が3地点ほど見られたため、全体平均を結果的に押し下がってしまったようだ。

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 利用意向調査ではモバイルルーター未利用者に対して「月額料金が安かったら、モバイルルータ-を利用する可能性はあるか?」を質問したところ、40.7%が「月額料金が安ければ、利用を検討したい」と回答。そのうち、「自宅の固定インターネットの代わりに、モバイルルータ-の利用を検討したい」が約1/3を占めている結果となった。
 更に「月額料金が安ければ、利用を検討したい」と回答した407人にワイモバイル、UQ Wimaxの新料金プランについて質問したところ、ワイモバイルを支持する回答が45.7%で、UQ WiMAXの11.8%を大きく上回った結果となった。要因としてはベストエフォートの速度よりも、月額料金の安さが支持されたと思われる。

 先日NTTドコモがモバイル通信で下り最速225Mbpsを記録する「PREMIUM 4G」を発表し、更に下り最速1Gbpsを記録する「5G」の2020年までの実用化に向けて世界中のメーカーが取り組んでいるなど、モバイル通信は日進月歩で高速化を果たしているのが現在の状況だ。
 また今回のワイモバイル、UQ Wimaxにしろ、ICT総研が2014年8月に調査実施した際には2社平均19.22Mbpsだったことを踏まえると、僅かだが1年も経たずに高速化を果たしていることになる。以上のことから、固定回線の代替として十分な役割を果たせる日もそう遠くはないだろう。

 調査は主要駅、ビジネス街、大学といった地点で選定された全国7都市50地点で行われ、各モバイルルーターと「Nexus 7」を無線接続し、速度測定アプリ「RBB TODAY スピードテスト」を利用して下り通信速度、上り通信速度を各3回ずつ測定する形式を採用している。
 また利用意向調査はモバイルルーターなどの「データ通信専用端末」を現在利用していない回答者1,000人に対して、Webアンケートを実施。どちらの最新の料金プランが魅力的かを質問する形式とした。調査期間は2月19日から3月1日まで。

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なお詳細なレポートに関しては以下のリンクを参照してもらいたい。
・ICT総研:「2015年3月 モバイルルーター電波状況実測および利用意向調査」

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